コンクール概要

アジアの文化とヨーロッパの文化は、当然のように全く異なります。
物事の考え方、捉え方、何かを構築していくプロセスや、そしてそれらの評価についても、何もかもが違うと言って良いでしょう。
しかし実際のところ、近年では多くのアジア民族がヨーロッパのクラシック音楽を学び、数々の国際コンクールで結果を残していることは紛れも無い事実です。

クラシック音楽の世界で、アジア民族はヨーロッパ民族と肩を並べる時代が到来しました。
ここで私たちが考えなければならないのは、もう一度原点に帰り、「クラシック音楽とは何か」ということです。
クラシック音楽の発祥はヨーロッパです。楽器もヨーロッパで発達しました。20世紀初頭までの主要な作曲家はみなヨーロッパ民族です。
アジアは本来、伝統的クラシック音楽の本場ではありません。ではなぜ我々はクラシック音楽を学び、努力し、本場のヨーロッパ民族と肩を並べて切磋琢磨するのでしょうか。

それは、クラシック音楽には民族を超えた普遍性と、個の多様性を受容する奥深さがあることに尽きると考えます。

クラシック音楽は、今や地域の伝統文化という枠組みを離れ、世界的な伝統文化へと昇華されたと言えます。個々の作曲家のアイデンティティと作品に敬意を払い、真摯に向き合えば、アジア民族だからこそ発見できる「何か」を演奏を通して探究できるのではないかと信じています。
ASIA PIANO COMPETITIONを通して、アジア地域が協力してクラシック音楽への理解をさらに深めること、そしてアジアの演奏家が集うことで、アジア民族としてのアイデンティティを共有し、クラシック音楽におけるアジア民族の強み・弱みを包括的に改めてよく理解し、クラシック音楽文化の発展に寄与するような発見が生まれることを期待しています。

ASIA PIANO COMPETITION Excutive Committee